さらわれたお肉 vol.38 ~わいわいバーベキュー~

作/チームCOL

ボクは、8歳になった。
グラウンド仲間のみんなとは、
もう8年近い付き合いになるから
飼い主さん同士もすっかり仲良し。


きょうは、みんなで
バーベキューなんだって。


それぞれ車をとばして、グラウンド
よりもずーっと大きい公園に集合。


足下に落ちた、赤や黄色の葉っぱが
じゅうたんみたいにフカフカして、
気持ちいいな~。


ウィルパパが持ってきたテントと
バーベキューセットを、
みんなでワイワイ言いながら
組み立てたあと、お肉を

ジュウジュウ焼いて、
食べたり、しゃべったりして
盛りあがっている。


ミノン姉さんやモモママ、
ママやみーちゃんたち、女性陣が
お腹がいっぱいになったころ、
やっとボクたちの番がやって来た。


みんなで一列にならんで、
目の前に、お肉が乗った
お皿を置かれた。


「ヨシ!」の合図で、ウィル君も
モモちゃんもミノンちゃんも
ハルちゃんも、みんな一斉に
お肉を食べはじめる。


でも、ボクは、何のことだか
よくわからず、
チンプンカンプン。


だって、いつもママは何かくれる
とき、「いいよ」とか「はい」って
言うから、「ヨシ」は聞いたことが
なかったんだもん。


そうしたら、となりにいた
ミノンちゃんが、自分のお肉を
さっさと平らげて、
ボクのお肉をあっという間に
食べちゃった。

なにが起こったのかも
わかってないボクを見て、
ハルじいも、ミノン姉さんも、
モモママも、ウィルパパも、
ママもみーちゃんも、
みんな大笑い。


ウィルパパだけは、
「はっちゃん、かわいそうに~」
って、笑いながらお肉を
用意してくれて、ボクもようやく
お肉にありつけたんだ。




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