賢いウィル君は、食いしん坊!? vol.45 ~ふたりでひとつ~
作/チームCOL
ボクは、耳をぺたんこにして、
ウィルパパとウィル君に、
鼻をうずめて交互にあいさつする。
昼間にウィル君に会えるなんて
うれしすぎるよー。
ウィル君は、この前会った時よりも
ちょっと元気な気がする。
ボクが“遊ぼうポーズ”をしたら、
ちゃんと応戦してくれて、
ふたりでちょっとだけじゃれ合った。
でも、なんとなく元気がない。
「最近は、ウィルの調子がわるくて
アジリティーの練習ができない
んだよ。おかげで運動不足……。
きょうは調子がいいみたいで遠く
まで来たんだけど、はっちゃんに
会えて、ラッキーだったな~」
ウィルパパが、ママと話してる。
ウィル君は、アジリティーという
犬の障害物競争の大会に出る
ために、数年前からパパと
トレーニングをしてるんだ。
ほそい板のうえを渡ったり、
棒のあいだを交互に走りぬけたり
タイヤの真ん中の穴をくぐったり、
どれもこなしちゃうウィル君は、
とっても賢いんだよ。
トレーニングのおかげもあって、
ウィルパパとウィル君は、
いつも息がピッタリ。
だから、ウィルパパとウィル君は、
ふたりでひとつって感じがする。
だけど、トレーニングが
できないくらい、
具合が悪いのかぁ~。
クン……
なんだか心配だな。
そんなウィル君がさっきから、
ママやみーちゃんに、
おやつのおねだりをしている。
ふふ。食欲でてきたみたい。
食いしん坊は、あいかわらずで、
ボクは、ちょっとホッとした。
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