“元気出して!” vol.47 ~ハルちゃんとモモちゃんのエール~
作/チームCOL
ウォン!!
いつの間にか、ボクのすぐ横に
いたハルちゃんが、吠えた。
ボクのおしりやお腹をつつくと、
ぴょんぴょんまわりをとび跳ねて、
“遊ぼう”のポーズでさそってくる。
ボクがジッとしていると、
何度も何度も、さそってきた。
「あれ、ハルちゃん、
めずらしくハチをさそってる。
ほら、はっちゃん遊んでおいで」
ママが気づいて、声をかける。
「ハルは、ハチのことを自分の
子どもみたいに思ってるん
だよなぁー!
ハチのことが心配なんだよ」
そう言うと、ハルじいは
ガハガハと笑った。
ハルちゃん、ウィル君のことで
悲しんでるボクに、
“元気出して”って、
はげましてくれてるんだね。
ボクは、ハルちゃんの
鼻や口をペロペロなめて、
ハルちゃんと同じように
“遊ぼう”のポーズを取った。
そこへ、モモちゃんがやって来て、
右に左にとウロウロする。
「フギャッ、フギャッ」
すもうをとってる
ウィル君とボクの横で、
「ノコッタ、ノコッタ」って
ひっきりなしにかけ声を
かけてた時みたいにね。
ハルちゃんとボクは、
モモちゃんの声を合図に、
ひろいグラウンドを三人で
駆けまわった。
ウィル君、はやく元気になって。
ボクたち、いつでもここで
待ってるから。
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