虹の橋の草原で vol.49 ~夢で会えたら~
作/チームCOL
赤や黄色の葉っぱがきれいな
季節が過ぎ去って、冷たい冬の風が
グラウンドを吹きぬけていく。
あれから、二週間が経った。
「はっちゃん、ウィル君のこと
待ってるのかな」
いつもウィル君がグラウンドに
入ってくる方向をながめていたら、
モモママが、つぶやいた。
うん。
ボク、ずっとウィル君を
待ってるんだよ。
ウィル君が、また元気に走って
来るんじゃないかなって
思ってさ。
ママは、ボクを抱きよせると、
星空を指さした。
「はっちゃん、ウィル君はね、
みんなより一足先に、
虹の橋に行っちゃったの。
今頃は、元気に虹の橋の
草原で、走りまわってる
かもしれないよ」
ママが、ボクの背中を
ポンポンとたたく。
虹の橋は、天国のそばにあって、
動物たちは亡くなると、みんな
そこで大切なご主人様を
待っているんだって。
そこでは、
病気の子も、年老いた子も、
みーんな元気を取りもどして、
楽しく暮らしてるみたいなんだ。
モモちゃんとボクに、
おやつをくれながら、
モモママが説明してくれた。
じゃあ、ウィル君は、
もう痛いところもなく、
元気に駆けまわってるのかな~。
その夜、ボクはぐっすりと
よく眠った。
ウィル君といっしょに、
虹の橋の草原で
子どものころのように、
駆けまわって、じゃれ合った。
翌朝、ママがみーちゃんと
話しているのがきこえてきた。
「はっちゃん、きのう夢見てた
みたいで寝言を言ってたのよ。
足も、小きざみに動いてたし、
ウィル君と、夢の中で
走りまわってたのかもね~」
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