初めてのともだち vol.8 ~豆柴はっちゃんとシェルティーウィル君~
作/チームCOL
ボクがママのおうちに来てから数日。
毎日お散歩していると、
怖いものもたくさんあるけど、
楽しみもちょっとずつ増えてきた。
きょうも秋空の下、
ママと手をつないでいるみたいに、
ヨチヨチ、トコトコ歩いていく。
地面にも、
ちょっとだけ慣れてきたよ。
ときどき、ママを見上げると、
ママもボクを見て笑い返してくれる。
えへへ。
なんだか、うれしいな~。
マンションを出て、
車のとおる道を渡ると、
その奥には、おおきな公園がある。
大きな木やぼうぼう生えてる草や、
水が流れている池もある。
それに、なんといっても、
ひろ~いグラウンドがあるんだよ。
今は、赤や黄に色づいた
葉っぱが、とってもきれい。
ボクの生まれた牧場に
ちょっとだけ似てる気がする。
だからかな。
なんだかすごく落ち着くんだ。
あ、ウィル君!
公園の真ん中で、
飼い主のおじさんに
ボールを投げてもらって
遊んでいるウィル君が、
ピンと耳を立ててふり返った。
ボクを見るなり、
こっちへ駆け出してくる。
ウィル君は、お散歩の途中で
出会った、初めてできた
ボクのともだち。
会うなりとっても気が合って、
きのうも公園の中をいっしょに
走り回って遊んだんだよ。
シェットランドシープドッグ
っていう犬種で、正式には、
ウィリアムって名前なんだけど、
グレーと白の毛並みがすごくきれい。
走る姿は、ボクとはちがって、
とっても優雅なんだ。
同時に走り出したボクたちは、
出会い頭にジャンプ!
そのままジャレあって、
押し倒したり、押し倒されたり、
取っ組み合っては、
ダッシュして逃げる。
ケンカしているみたいに
見えるかもしれないけど、
ただジャレて、遊んでるだけだよ。
追いかけたり追いかけられたり、
その逆もやってみる。
ウィル君のきれいな毛並みが
泥んこになって、
飼い主のウィルパパは、
「あ~~~、
シャンプーしたばっかりなのに…」
って、頭を抱えて苦笑い。
ママは、元気に走り回る
ボクにおどろいて、
「わー、はっちゃん!
すごい、すごーい!」
って、いっしょに
駆けまわって、うれしそう。
あ~、楽しい。
この時間が、このまま
ずっとずーっと続けばいいな。
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