イヤな予感 vol.13　～「いい子にしててね」～

作／チームＣＯＬ

散歩から帰ってきたボクは、
ママに足をフキフキされたあとは、
解放されたよろこびで大こうふん。

なぜかうれしくて、部屋中を
走り回りたくなっちゃうんだ。

そうしたら、ママも参戦してくれて、
テーブルをはさんで追いかけっこが
はじまった。

ハァ、ハァ、ハァ！

ひとしきり遊んだあとは、
水をがぶがぶ飲んで、
ベランダですずむんだよ。

あ～、イイ気持ち！

リビングにもどると、
ソファの横に大きな四角い箱が
置かれていた。

なあに？　これ。

「えっと、むこうは寒いかしら…。
　あ、スーツケースに
　ジャケットも入れなくちゃね」

ママはブツブツと一人ごとを
言いながら、「スーツケース」
と呼んでいた四角い箱に、
荷物を詰めている。

その横で、ジッと首をかしげて
いると、ママは気まずそうな
顔をして言った。

「はっちゃん、明日の夜は
　いい子にしててね～」

ん？　ママ、お出かけ？

でも、近所にお買い物に行くとき
とは、様子がちがう気がする。

なんだか、イヤな予感……。