ママの悲鳴 vol.19 ~もうボクをひとりぼっちにしないでね~
作/チームCOL
ママとみーちゃんと三人で家に
もどると、引き出しの取っ手や、
ダイニングのイスの脚に付いた、
ボクの立派な噛みあとが
つぎつぎと発見されていった。
「きゃぁぁぁ!
お気に入りのバッグが!」
ボクがガリガリに噛んで、
ボロボロにした
革のバッグを見つめて、
ママが悲鳴をあげている。
あ……、ママ、、
ゴメンナサイ。。。
ママのにおいがしたもんだから、
つい夢中になっちゃって……。
しばらくすると、
寝室からまた悲鳴。
「引き出しの取っ手が、
ボロボロじゃないのー!」
うぅ……。ゴメンナサイ。
引き出しの中から、
ママのにおいがしたんだもん。
でも、ぜんぜん開かなかったんだよ。
ママはちょっとにがい顔をして、
ボクのほっぺたを両手で
ニューッと引っぱって言った。
「はちも、結構やるわね!
でも、わたしが一日中、はちを
ひとりぼっちにさせちゃった
から、しょうがないか……」
ママは笑うと、
ボクをもう一度抱きしめた。
エへへ。
これに懲りて、ママはきっともう、
ボクをひとりぼっちになんて、
しないはず!
だよね!?
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