予期せぬ偶然 vol.20 ~ボクは自由だ!~
作/チームCOL
今夜もグラウンドでウィル君と合流。
しばらくしてから、長ぐつを履いた
乾物屋さんのハルじいとハルちゃんが
グラウンドの向こうからやってきた。
ハルちゃんは、毛が真っ黒だから、
夜だとよけいに黒いかたまり
のように見える。
ちょっとこわいかも……。
ハルちゃんがおやつを
食べてるときにだれかが近づくと、
決まって「ウォン!」って
低い声で吠えられてるんだ。
だからボクは、怒られないように、
まだあんまり近づいてないんだ。
モモちゃんとミノンちゃんが
来て全員集合すると、決まって
飼い主さんたちとのおしゃべりが
はじまる。
ウィルくんとひととおり遊んで、
地面をクンクンするのにも飽きた
ボクは、首を左右にかたむけて
リードをと引いたりゆるませたり
していたんだ。
そうしたら、なぜだか
スルスルッとリードが取れたんだ!
わぁ~!
ボク、自由に歩いていいの!?
話し込んでいるママたちから
そっと離れて、グラウンドのはしに
行くと、お気に入りの木に
オシッコをひっかけてみる。
まだママは気づかない。
よぉ~し!
そこからボクの探検がはじまった。
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