雨上がりの水たまり vol.25 ~みーちゃんの低い声~
作/チームCOL
カリ、カリ、カリ、カリッ
ママ、起きてよー。
もう散歩の時間だよ!
ママのベッドをガリガリと
ひっかいて起こそうとしたけど
ぜんぜん起きない。
最近、ママは夜おそくまで
机に向かってパチパチと
パソコンを打っている。
今朝も、明け方になって
ようやくベッドに入ったみたい。
ふんだ。
もう、しょうがないなあ。
ふてくされ気味に、
アシスタントのみーちゃんと
しぶしぶお散歩に出た。
ちょうど雨が上がって、
グラウンドにはおっきな
水たまりができている。
ボク、雨上がりの土の感しょく、
大好きなんだ!
ボクは、はしゃぎ気味で
みーちゃんを抜かして走りだした。
バシャバシャバシャ。
わ~、気持ちいい!
水たまりで飛びはねるボクの
背後から、みーちゃんの
悲鳴がきこえた。
「ギャァァ~~!!
びしょぬれになっちゃうよ!
はっちゃん!」
みーちゃんがボクを
つかまえようとする。
おどろいて飛びあがったら、
今度はぬかるみに入って
どろんこに。
「あ゛ぁぁぁぁ~~~……。」
みーちゃんの
うめき声が聞こえる。
ボクは、なんだか
よくわからないまま
テンションがMAX!
「はぁ~ちぃぃ~~っ!
待てぇぇ~~~ぃ!」
みーちゃんの反応がおもしろくて
わざと水たまりに入ってみたり、
ドロドロになってる土を掘ったり
して、おおいそがしだ。
「はちぃーーー!!
んーもぉ!! 帰るよっ!」
最終的には、みーちゃんの
今まで聞いたことのない
低い声におどされて、
ボクはおとなしくママの
(寝て)待つおうちに帰った。
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