ボクは幸せもの vol.24 ~心配させてゴメンナサイ~
作/チームCOL
「はっちゃん、急にいなくなるから
心配したよぉーーーー!
まさかこんなところにいるなんて
生きた心地がしなかった……」
ママは、ぐったりしながら、
ボクの目の前にしゃがみこんだ。
すると、ウィルパパやハルじい、
ミノンねえさん、モモママたちが
くちぐちに言い出した。
「でも、よかったよかった」
「道路に出ちゃったのかと思って
ヒヤヒヤしたけど、ここだったか」
「はっちゃん、いなくなっちゃった
から、みんなでグラウンドの
まわりを探してたんだよ~」
話によると、ママはボクが
いるかもと家までもどったあと、
ボクが行きそうなところを
そこらじゅう探しまわって
くれてたんだって。
ウィルとウィルパパは
公園の敷地内を、
モモちゃんとミノンちゃんたちは
公園のまわりを、
ハルじいとハルちゃんはバイクで
車道を探しに行ったりと、
みんなで手分けてしてボクを
探してくれていたみたい……。
みんな、ごめんなさい。
心配かけちゃった。
だけど、
心配してもらえるって、
こんなにうれしいことなんだね。
牧場にいたときとは
ぜんぜんちがう。
ボク、生まれて初めてこんなに
みんなに探してもらったよ。
みんな、ありがとう。
そしてボクは、
最後にハルちゃんに心の中で
お礼を言った。
ボクを見つけたあと
いなくなっちゃったと思ったら、
実はハルじいに知らせに行って
くれていたハルちゃん。
「怖そう」だなんて思ってたけど、
ボク、まちがってた。
ゴメンナサイ。
ありがとう、ハルちゃん。
この脱走事件以来、
ボクは“臆病モノのはっちゃん“
じゃなく、
“脱走癖のやんちゃなはっちゃん“
と呼ばれるようになった。
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