未知との遭遇 vol.31 ~ボクが守るんだ!~

作/チームCOL

ボクはピンと耳を立てて、
戦とう態勢に入った。


目線は、グラウンドの奥にある
建物の植えこみ。


あのしげみに何かいる!


ボクがしげみに釘づけのあいだ、
ウィル君、モモちゃん、
ミノンちゃん、それにハルちゃん
までもが、ウィルパパとモモママの
まわりに群がって、おやつを
ねだっている。


ボクは、使命感に燃えた。
“ボクがみんなを守るんだ!”


警戒態勢120%!!


カサッ……


しげみの奥で、
またなにかが動いた。


ビクッとしながらも、
ボクは、勇気をふりしぼって、
いきおいよくグラウンドの
はしっこまでダッシュすると、


「ウォンッ!!!」


できるだけ低い声で吠えた。


しげみから出てきたのは、
背中の毛を逆立てて、
こちらをうかがっている猫だった。


むかしは、子猫でさえこわかった
ボクだけど、今はだいじょうぶ。


でも、緊張度200%!!

ピンッと体が張り詰める。


ひるむ心を自分ではげますと、
足音を立てないように体せいを
低くして、ソロソロとしげみに
近寄っていく。


でも、猫も負けていなかった。
背中の毛をさらに逆立てて、
今にもこちらに向かって
飛び出してきそう。


ボクだって、ボクだって、
負けないぞ!


よ~し!
もう一度、威嚇だ!


「ウォオンッ!!」


すると、猫はチラッと後ろを
確認したかと思うと、
サッとしげみの奥へと
消えていった。


この勝負、ボクのねばり勝ち!?


ヤッタァーー!
とばかりに、ドヤ顔で
グラウンドをふり返ると、


「はっちゃん、何してたの!!
 また脱走して、
 ダメでしょーーっっ!!」


ママの怒声が公園にとどろいた。



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