モモちゃんは行司役 vol.30 ~ノコッタノコッタ!~
作/チームCOL
その日は、いつものように、
夜のグラウンドでウィル君と
ワチャワチャ遊んでたんだ。
グラウンドの周りの植えこみや
さくをとび越えて、追いかけっこ。
走るのに疲れたら、
飛んだりはねたりしながら
相撲をとるんだ。
その間、ミノンちゃんは
しゃがんでいるミノンねえさんの
ひざをパシッとたたいて、
おやつをおねだり。
ハルちゃんは、ハルじいと
グラウンドの先にある池で
夜の水遊び。
モモちゃんは、必ずウィルくんと
ボクのあいだにわって入って、
恒例のおたけび。
ウィル君とからみ合ってる最中、
モモちゃんは、ボクらに顔が
くっつきそうなくらい近づいて、
叫ぶんだ。
「アウアウ、
バウアウアウアウゥ~~!」
たまに、ウィル君やボクの
手や足が当たったり、
乗っかられて、ペシャッ!
てなってるけどね。
ウィルパパいわく、モモちゃんは
相撲の行司さん役をしてるらしい。
行司っていうのは、
お相撲さんの横で、
「ノコッタノコッタ!
ノコッタノコッタノコッタ!」
って言ってる人のことなんだって。
相撲をとり終わって、みんなで
おやつのおねだりをしていると、
遠くのしげみで、何か黒いものが
サッと動いた。
ボクの耳は、反射的に
ピンッと立ち上がった。
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