人の会話に、耳ダンボ

From 倉橋燿子


「人間って、ホントにおもしろい!」
これは、わたしの長年の実感。


職業柄、人間観察と称して、ついつい
周囲の人たちの会話に、聞き入ってしまう。


食事に出かけても、隣の席の会話に
夢中になって、友人はそっちのけ。
「またいつものが始まった~」と
ほとほと飽きられてしまう。


先日、スーパーで買い物をしている
男女4人の若者グループを見つけた時も……。
これからホームパーティーなのかな
と想像を膨らませる。
若者たちを目で追い、耳をダンボにして集中。
そうすると、だれがだれを気に入っているか、
まで分かっちゃうから、おもしろい。


こんなふうに、電車の中やレストラン、
カフェや本屋さんなど、周りの人の会話が
聞こえてくると、ピピッと耳ダンボセンサー
が自然に働いてしまう。

最近では、面白い会話が聞けそうかどうか
まで、分かるようになってしまった。


会話の内容は、さまざま。
仕事の愚痴に、自慢話、恋愛話に子育てネタ、
人生相談なんていうこともある。


その度に、「それ、わかるな~」って共感したり、
思わずツッコミを入れたくなったり、
「すごいなぁ」って感心したり……。


人って、イイもワルイも、
なんでも思うものだし、
だれであっても大差ないんだな~
って思えてくる。



つい最近も、イイ話が聞けた。
小学生の女の子が、お母さんに連れられて
電車に乗ってきた時のこと……。


母「ばーばは、亡くなったけど、
  じーじが天国で待ってるから、良かったね」


どうやら、おばあちゃんが亡くなったみたい。

娘「うん……。でも、
  あたしは地獄行きだなぁー」

母「えぇ? どうしてそう思うの?」

娘「あたし、大ウソつきなんだもん」

母「大ウソつき?」

娘「学校で、友だちをイジメちゃったり、
  ママのお財布から200円
  取っちゃったし……。
  この前も、パパのズボンのポケット
  に500円が入ってて、それも
  もらっちゃったんだ。

母「そうだったの~、でも、どうして
  お友だちをイジメちゃったの?」

娘「友だちと話してたら、なんだかムカムカ
  してきちゃったの。言い返したかったけど、
  言い返せなかったから、あとでこっそり
  イジメちゃった。
  だから、あたしは天国には行けないんだ」

母「そっかぁ~。でも、そんなふうに、
  自分のことをウソつきだって、ちゃんと
  言える子は、地獄には行かないんだよ」



こんな会話が聞こえてきて、
わたしは、すっかりこの親子に
心奪われてしまった。


なんてステキな親子!
こんなに何でも言い合えるって、
すばらしいな~!


わたしが小さかった頃は、ウソをついても
親に正直に言うなんて、
ぜんっぜんできなかったなあ。(~o~)



こうして、いろんな人のいろんな話を
聞いていると、ものすごーく人生勉強になる。



な~んて、親子の会話から、幼い頃の自分
と母親のことを思い出していたら、
電車はすでに降りる駅に到着!

慌てて降りようとしたけど、あとの祭り。


あーあ、
またヤッテしまった……(ToT)


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