ハチの親友

From 倉橋燿子


ハチが我が家に来てからすぐ、
散歩で知り合ったのが、
シェルティーのウィルくん。


大きさも歳も同じくらいで、
すぐに仲良くなった。


いっしょにグランドを駆け回ったり、
追いかけっこをしたり、
レスリングをするみたいにじゃれあったり。
時には、同じ器で同時に水を飲んじゃうくらい、
気を許しあった親友みたいな二人。


そのウィルくんが、去年の秋、
病気で突然亡くなった。
13歳だった。


飼い主のウィルパパ自身が、
二年ほど前から闘病生活をしていただけに、

「まさか、ウィルまで同じ病気に
 なっていたなんて。
 自分のことで精いっぱいになって、
 気づいてやれなかった……」

と悔やんでいた。


でも、ウィルくんとのお別れのあと、
なかなか消えなかったウィルパパのガンは、
消えてなくなったそうだ。


「ウィルが、代わりに僕のガンを
 持って行ってくれたのかもしれない」

ウィルパパが寂しそうに笑った。


本当にそうなのかもしれない。
そう思えるくらい、
ウィルくんは、パパが大好きだったもんな。



ハチも、今年の1月で13歳になった。


ハチといられる時間は、
もう、そんなにたくさんはないんだなあ。

なんてしんみりしてたけど、
ハチのほうは、ぜんぜん知らんぷり。

今も、アウアウアウアウ甘えた声を出して、
それでもおやつをもらえないと、
頭を振って鼻を「フンッ!フンッ!」
って何度も鳴らして、文句を言ってくる。


そんなときは、わたしもしっかり説教。
「はっちゃん! ダメでしょっ!!
 今も米俵みたいに、丸まるなのに、
 これ以上太ったら、どうするの!!」


毎日恒例のこのやり取り。


それでも、
こんなハチとの会話がいとおしい。


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