はじめましてのごあいさつⅡ vol.11 ~看板犬のハルちゃんと盲導犬のミノンちゃん~
作/チームCOL
おしりをクンクンしたせいで、
モモちゃんの猛攻撃に
あったボクは、
心臓がバクバク……。
「新しい人がグラウンドに来ると、
決まっておたけびを
あげるんだよ。なー、モモ!」
いつのまにかそばにいた
ハルちゃんの飼い主さんが、
しゃがれた声で教えてくれた。
ハルちゃんの飼い主さんは、
「ハルじい」って呼ばれてるんだ。
長いおひげをはやして、おじいさん
みたいに見えるからかな。
ハルちゃんは、ハルじいのやってる
乾物屋さんの看板犬。
どことなく貫ろくがあるのは、
そのせいかも?
ふいに、ラブラドールの
ミノンちゃんが、ボクの周りで
前あしをバタバタしはじめた。
ボクを遊びにさそってるみたい。
「ミノン、
しつこくしちゃだめよー!」
若い女の人の声がひびく。
ミノンちゃんの
飼い主のおねえさんだ。
「はっちゃん、こんばんはー。
ミノンは、盲導犬で、
今年3歳の女の子なの。
よろしくね~」
モードーケン……?
ボクが、不思議そうに
首をかしげていると、
おねえさんは、
目をつむったままつづけた。
「盲導犬っていうのはね、
目が見えないわたしのような人の
手助けをしてくれるワンちゃんの
ことよ。ミノンも小さい時に、
きびしい訓練を受けてきたの」
へぇ~、盲導犬かぁ。
ミノンちゃんって、えらいんだな。
飼い主のおねえさんのことを、
手助けできちゃうなんてすごい。
しかも、小さい時から
訓練なんて……。
「ミノン、はっちゃんのこと
気に入ったみたいよ」
ミノンねえさんは、
ニコニコとうれしそうに言った。
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