ボクのおうち vol.4 ~豆柴はっちゃん、夢の中へ~

作/チームCOL

ボクとママは、
クタクタになりながらも、
ようやくおうちに入った。


だけど、だからといって、
ちっとも落ち着かない……。
ママのおうちの中は、
ボクが初めて見るものばかり
なんだもの。


緊張と不安と恐怖の連続で、
ボクは疲れきっていた。
だけど、座ることもできなくて、
家じゅうをウロウロウロウロ。
フローリングの床は、ツルツル
すべって、歩くのもたいへんだ。


「はっちゃん、ごはんだよー」


ママが、牧場で食べていたのと
同じごはんを用意してくれて、
ようやくボクは、お腹が空いている
ことに気がついた。


ミルクとごはんを
ほんの少しだけ口にしたけど、
ボクは相変わらず、立ったまま。


そんなボクを見て、ママは
クッションや毛布を持ってきて、
ボクを寝させようとする。

それでも寝ないボクの背中を、
ママは、ひたすらなで続けてくれた。


「あ、そうだった!」
ふいに、ママが立ち上がった。

「はっちゃ~ん、こっちにおいでー」
寝室からボクを呼ぶ声がする。


おそるおそるドアの向こうを
のぞいてみると……


あれ?
ボクの、、おうち……!?


新しいケージのそばまで行って、
クンクンクンクン
においをかいでみた。


クンクンクンクン……

うん、だいじょうぶそう。


そぉーっとケージの中に入ってみると
新しいクッションが敷かれていて、
足もとがふかふかしてる。


牧場で毎晩寝ていたケージと
ちがって、なじみはないけど、
それでもちょっぴりホッとする。


ケージの中をクルクルまわって
場所を定めると、クッションを
カリカリカリカリ掘ってみた。


そして、もう一度クルクルまわると、
ボクは、ようやく丸くなって
体を横にした。



その晩、四角い巨大な箱
(ママはトラックって言ってた)
が、おそってくる夢を見た。


でもね、ボクの後ろには、
真っ赤な箱に乗った女の人がいて、
ボクの代わりに、その数百倍も
大きい箱を退治してくれたんだ。

ZZZ……

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